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ゴルフ市場の見果てぬ夢

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2011-4-11

例年フロリダ州オーランドで1月に行われるPGA(Pro Golf Association)国際見本市で話題となったのは2010年において米国ゴルフ人口が100万人減少したことである。

原因としてはベイビーブーマーの動向、ゴルフコースの設定が難しくなり過ぎたことなどが挙げられているが私見を述べればリーマンショック以前のバブル経済の中でグリーンフィーが高くなりすぎたことに起因していると思われる。
ダコタやアイオワの田舎はともかく東部や西部の人口密集地域のグリーンフィーはパブリックでも100ドルから200ドル以上もざらであり、最近では日本のほうがむしろ廉いコースが多いのではと感じさせられたことがある。
数十年前と異なり米国でもいまやゴルファーの大多数はカントリークラブの会員ではなく、いわば大衆ゴルファーであり、彼らにとってはグリーンフィーの廉いパブリックはスタートが取れず、100ドル以上のグリーフィーでは滅多にプレイが出来ない、このような環境がゴルファー人口の減少につながったのではと思われる。

一方、ゴルフ人口の動向とは関係なくゴルフクラブ市場の低迷は米国に限らず日本でも顕著である。
1990年代はゴルフクラブマーケットは空前のブームであった。
1985年あたりから90年一杯でおそらく日本のゴルファーのみで二千万本以上のクラブが廃棄され、新しく軽量チタンのドライバー、フェアウエイウッドに買い変えられたことと推察される。
各ゴルファーは少なくとも数本の手持ちクラブを放擲した記憶を持っているに違いない。
すなわち大量陳腐化と新規需要の発生であり、これはひとつの産業分野にとってまさにドリームとも言うべき現象であり事実このブームにのって飛躍的にシェアを伸ばしたブランドがいくつか出現したのである。
この大量買い換え重要が一巡した今、過去十年と同じペースで各クラブメーカーが生産すれば当然供給過剰となる。
加えて飛距離の増大を制限する規定が強化されている現在、メーカーにとって買い換えの動機付けを演出することは容易ではない。

いまかってゴルフ業界が経験した大量陳腐化と大量買い換え需要を享受しているのはカメラ業界であり、おそらく何百万台の乳剤フィルム用カメラがたんす入りとなり、デジタルカメラにスイッチされつつある。
事実、1時カメラ部門を縮小していた大手カメラメーカーも今や大車輪でデジタルカメラの生産に励んでいる。

次はハイブリッドから電気自動車へと繫がる自動車業界で同じ現象が起こるのかどうか?
いずれにして現存商品の大量陳腐化は革新的なイノベーションによってのみ引き起こされる。再びインパクトのあるイノベーションが実現できないとすればクラブ産業にとっては見果てぬ夢より覚めるときが来たようである。